奈良市高の原の23人世帯とボクとボクと一緒に、より普通な家を求め続けた住まいづくりの結果です。普通のことができている建築画像から「OLA革命」を予感していただけたらうれしい。「当たり前にある住要求を満たしたい」。普通のことを追及する延長線上に完成した集合住宅を写真とコメントで報告します。上図をチラチラと見ながら、お読みください。
自由設計のステージづくり
個々の住宅がつくられる平面・ステージは、上下の床版と界壁に区画され、二方から四方の外壁側が開放された単純な四角形となっています。多様な住み手の自由設計・個々の生活文化観を踏まえたその家族らしいインフィルは、正角なステージがあってこそ実現できます。
個々人が、自由な演技をやっていただくようにしたものです。
一般的には6~8本の柱を必要とするステージが、ここでは太い4本だけの柱のコアフレームで構成されます。そこから持ち出した床版(ソフトエリア)も含めて個々のステージが形成されます。
ソフトエリアは逆スラブ(普通の構造は梁の上端に床版、この場合は逆で下端)として、ソフトエリアだったらどこにでも水廻りが配置できます。床版の上面から床仕上げ材の間に配管スペースが確保され、設計自由度を確保してバリアフリー住宅が実現できます。下界床は区分所有の大事な部位として、遮音、防火性能を求められ硬く強い不変の構造物が要求されます。一方、外気との区画である外壁と外床(屋根)は、逆に柔らかく自由で変化しうる構造物が求められるのです。その結果は、築後20年以上も経って、その新鮮さを依属するどころか、世間の共同住宅がとめどもなく後退劣化していく中で、ますます輝きを増しています。
完成した時点では、日本の一人の建築学者だけに、“日本一の共同住宅だ”と言わせることができたのですが、20年がたっての今は、アメリカの建築学者に、“スケルトンインフィル住宅の到達点”として評価されるに至っているのです。
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