芯向き楕円丸太・となりむらの木構造

建築計画
地元杉材による「ログハウス」で、「むらのコモン」空間の役割を果たしている。

芯向き楕円丸太のログハウス

32年前築の陶芸家秋山仲康氏(故人)オーナーの依頼で造った山荘に年始7日、過去の平屋建築を今の平屋づくりに活用できる技術を探そうと、日本海と瀬戸内海へほぼ等距離の兵庫県青垣町に出かけました。
ログハウスと言えば、カナダ産の大丸太イメージだった頃、地元産業(木栄)を率いる足立栄逸氏の考案した芯向き楕円丸太を採用していたのです。築後ゲストハウスとなったログハウスを、子供たちの成長過程にズーット利用し続けてきたY氏が、「時間がたつほどに、心地よくなっていく空間と、美しくなっていく杉材ログの表情に、今の時代に使いたい」と考え始めていたのです。Y氏は、ホステルインという世界的商標を生かして、木造平屋に思いを寄せているのです。上写真は、外壁と内壁の交差部分の外観。材の変形と割れを防ぐ4m丸太の芯をくりぬく難技術が保有し続けているのだろうか。そこから新しい技術へ進展しているはずである。

このゲストハウスから

「32年前お世話になった、バンです」にはじまって、お話はウッドショックから。「日本の杉材を世界一安価にしている」と会長に位置替えされていた足立氏は教えてくれる。者の世代交代も実現して、その豊かな活用技術へとお話が弾んでいく。

コロナ禍の中、住まいの多様なありようが求められ、低層ミニ化に足立氏は呼応しておられる。ボクは「グランダウス工法」の超断熱壁材に代わるモノとして利用できる角ログ工法杉材が生産されていることに注目しました。

なお、となりむらは山あいの大稗集落に隣接していて、ログ造りのこの棟は10人が泊まれるゲストハウスにも活用されています。下写真左側屋外に見えるのは、省山を繋ぐ御子息陶芸家・知宏氏の登り窯のある陶房です。パブリックは、中写真のように川の流れるリビング・ダイニング・キッチン。10人が囲める自在かけのある囲炉裏和室があります。7日は前日の大雪が地域に降り積もっていました。リビングワイド開口部からの写真です。

コメント