自律神経を持続する免疫学(5)

介護

自律神経とサスティナブル

人体と病の真理の発見によって多くの医学的常識が覆され、医療周辺の商売が否定されることになるからだろうか。200本以上国際医学界に研究成果を発表し、国内では「ガンは自分で治せる」「免疫革命」「医療が病をつくる」など著書多数にも関わらずマスコミ社会の後押しかない。 ボクの狭い経験を通しての医療に対して湧き上がった感情的結論は、実は医療科学としても成立していたのである。ボクたち建築士があの平成七年の阪神大震災の復旧に大わらわだった次年、細胞や血液、人体の内側から病を付きとめようとしてきた国際感染医学者・免疫学者である安保徹氏が「白血球の自律神経支配のメカニズム」を初めて解明したことを、ボクは最近知ったのだ。

自律神経は細胞に「働きなさい」「休みなさい」と指令しその時々の状況にもっとも適応した体調に整えていき、安定した生命活動をボクたちは営んでいるのである。ここまでは全世界が共有する自立神経の役割であるが、安保氏と共同研究者の福田稔先生は、もっと進んで「自律神経が白血球の数や働きも調整している」ことを突き止めた。白血球にはウイルスや細菌、異種タンパク、ガン細胞などの攻撃から身体を守っている「リンパ球」と「顆粒球」とがあって、病の種類に応じて活躍していることを二人は突き止めた。体内を循環している細胞については、それまで自律神経の作用を受けにくいと考えられていたが、二人は自律神経が白血球を支配化に置いていることを発見したのである。

交感神経と副交感神経がバランスよく働いていると、顆粒球とリンパ球の分泌バランスもよく、人は健全に暮らすことができるのである。このバランスを崩すのが、様々なストレスである。その一つが仕事のしすぎであり、二つが休息のとりすぎであり、三つ目に二人が強調する「薬のとりすぎ」なのだ。 

持続可能とは、地球自然環境と共生すること以外に答えはない。もちろん、今まで人類が知ることができなかった自律神経の働きもその自然そのものである。

だから、自然のありようを変えようとする細胞メーカーの山中先生よりも、自然と共生しようという医学を志向する安保・福田両先生の考え方を、つまり商売にならない方向を、ボクたち人類は当たり前に尊重しなくてはならない。自然が与えてくれた人体のメカニズムを持続することによって、この章のテーマ・本当の発展が見えてくるのだ。サスティナブルな家づくり「マインズ」で得た「持続の中で発展させる」考えは医療介護においてはなにより大事だとおもうようになった。

自然が与えてくれた人体のメカニズムはいじらない。持続を求める人体を破壊する医療介護の今日に警鐘を鳴らす。

 

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